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令和2年度税制改正大綱が閣議決定されました

令和2年度税制改正大綱が閣議決定されました。個人的には、来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて成績優秀者に交付される金品の非課税限度額の引き上げ、未婚のひとり親や寡夫について公平性の観点から問題の多かった寡婦控除関係の改正、節税方法として以前より利用されてきた国外不動産の減価償却費計上スキームを塞いだ点が、わかりやすい改正事項かと思います。また、5G(第5世代移動通信システム)投資は、国際競争力強化の観点からも喫緊の課題であり、税に関しても優遇措置を講じた点は大いに評価すべきものと考えます。

以下が、中小企業、個人に関係のある改正項目となります。

個人所得課税
・NISA(少額投資非課税)制度の見直し
・低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設
・配偶者居住権又は配偶者敷地利用権の消滅等に係る譲渡所得の取り扱い
・国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例の創設
・未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
・日本国外に居住する親族に係る扶養控除の適用について
・確定拠出年金等の改正に係る措置
・オリンピック競技大会における成績優秀者を表彰するものとして交付される金品の非課税限度額の引き上げ

資産課税
・所有者不明土地等に係る固定資産税のみなす制度の拡大

法人課税
・5G(第5世代移動通信システム)に係る設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設(所得税も同様)

消費課税
・法人に係る消費税の申告期限の特例の創設
・居住用賃貸建物の取得等に係る消費税の仕入税額控除制度等

納税環境整備
・振替納税の通知依頼及びダイレクト納付の利用届出の電子化
・準確定申告の電子的手続の簡素化
・納税地の異動があった場合の振替納税手続の簡素化
・電子帳簿等保存制度の見直し
・国外財産調書制度等の見直し

フィンテックその後1

今年はフィンテックの普及に相当力を入れまして、個人法人含め相当数のクライアントにおいて実用化されることとなり、ご協力頂きました顧問先様には改めて感謝申し上げます。
実際、フィンテックの話をすると、拒絶反応を示される方、メリットデメリットについて詳しく説明して欲しいと言われる方、楽になるなら是非にも導入したいと言われる方、先生が言うならいいよ〜(笑)というように様々な反応がありました。

フィンテックを導入するに際しては、一つ困難な山がありまして、ネットバンクへ申し込みをした後パソコンにてネットバンクへの設定をしますが(既に利用されている方は不要)、さらにマネーツリーのソフトにて設定をしなければならない点。途中で分からなくなり銀行に問い合わせても、フィンテックの技術は銀行にとってはライバルですから基本まともに対応してくれません。また、マネーツリーのソフト会社もお粗末なもので、連絡しようにもネットのみで電話対応しておりませんからあてになりません。
マネーツリーの設定方法が銀行ごとに異なることが最大の問題でして、お客様からの質問に答えられるよう、私自身なかなか答えてくれない銀行から上手く情報を引き出して、設定までスムーズにできるノウハウを積みました。こういうノウハウも数年経てば意味のない作業となりますが、変革期というものは、どのような形態であれ必ず起きる作業ですし、インターネット草創期に嫌という程味わっていますので大した苦労ではありません。最終的には二桁の銀行の登録方法をマスター出来まして、パターンも分かってきたため、現在は全国どの銀行でも設定は可能です。これだけ素晴らしいフィンテックという技術であるのに、設定が手作業とローカルなのが何とも言えません。
現在は、ご自身で設定が出来るようにメールや電話にてマニュアル等やり方を事前にお知らせするようにしておりますが、それでも設定が分からない場合は、私か職員が伺い設定する形をとっております。基本的に9割以上の方は設定できるようですので、問題は無いように思います。

消費税率の引き上げに伴う間違いやすい点2(農業関係)

10月決算の農業法人やこれから確定申告を控えている個人の農家の方が注意すべき点を記載して行きます。
10月以降の食用となる農林水産物の売上については、簡易課税制度に係るみなし仕入率が70%(第三種事業)から80%(第二種事業)に引き上げられましたので、1年間70%にて計算しないようご注意ください。
また、JAに委託販売する際、従来であれば、その課税売上高の計算については、売上高から販売手数料を差し引いた純額処理が認められておりましたが、売上高は軽減の8%、手数料は10%となったことにより消費税率が異なってしまったため、別々に計算する総額処理へと変更になりました。従って、簡便な純額処理が使えなくなりましたので、基準期間の課税売上高も上がりますから、課税事業者か免税事業者かの判定の際には注意が必要となります。

消費税率の引き上げに伴う間違いやすい点(家賃の取り扱い)

間違いやすい点につきましては、前回の5%から8%へ消費税率が引き上げられた際と同様になりますが、改めて記載させて頂きます。
家賃を支払っている場合の前払い家賃部分についてですが、9月決算法人が間違いやすいですので注意が必要です。家賃の翌月分を今月末日までに支払う契約の場合、9月末までに支払う家賃に係る消費税は8%と10%のどちらになるのか。
建物の賃貸借は借地借家法32条(借賃増減請求権)の規定が適用されますので、契約内容に関わらず、事情変更があった場合には、賃料の変更請求をすることができます。ただ、消費税の経過措置とは別個に借地借家法は考える必要があります。
経過措置によれば、建物の賃貸借契約において、賃貸する者がその貸付に係る対価につき、事情変更その他の理由により増減するすることができる旨の定めがないときは、その契約は経過措置の要件を満たし8%のままとなりますが、実際には、物価変動等による賃料増減の条項は契約内容に含まれておりますから、経過措置が適用されるケースは少ないものと考えられます。
従いまして、基本的には10%として処理することになります。

金融データ、マネーツリー、会計ソフトによるフィンテック活用事例

1、当事務所によるフィンテック活用事例

(1)売掛金の管理
① 現況
・継続的な業務依頼のある得意先もあるが、単発の請負業務も多い。
・経理の採用募集をしても、なかなか採用したい人が見つからない。
・税理士事務所に渡す書類をまとめるのも大変な状況。
・経理の入力業務は当税理士事務所に依頼している。
② 省略された業務
・売掛金の管理が出来ていなかったが、フィンテック活用による税理士事務所との連携により管理できるようになった。
・未回収の売掛金を回収するために、弁護士費用がかさんでいたが、それも減ってきた。
・銀行取引やカード取引が自動で取り込めるようになった。
・経理を採用する必要がなくなり、経費節減になった。

(2)出張が多く、資料がまとめられない
① 現況
・社長は日常的に非常に忙しく会社にいる時間が少ない。
・公共交通機関移動時などにはノートパソコンや携帯スマホを使用し業務をしている。
・経理の採用募集をしても、なかなか採用したい人が見つからない。
・経理の入力業務は当税理士事務所に依頼している。
② 省略された業務
・通帳記帳のために銀行へ行く必要がなくなった。
・経理を採用する必要がなくなり、経費節減になった。
・空いた時間を本業に向けることが出来るようになった。
・書類をまとめる手間が省けた。

(3)自社で入力業務を実施(自計化)している場合
・支店(部門)ごとの取引入力・預金管理が可能となった
・支店(部門)ごとに売掛金の管理が出来るようになった。
・支店(部門)ごとに買掛金の管理が出来るようになった。
・支店(部門)ごとに未払金の管理が出来るようになった。

2、マネーツリーのサービスについて
https://link.getmoneytree.com/jp

3、マネーツリーの導入事例(ICS)
金融機関データの自動仕訳サービス
https://link.getmoneytree.com/jp/partners/ics

4、ICSによるFinTechサービスの流れ
https://www.icsics.co.jp/land/fintech.html