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日税連公開研究討論会・ホテル日航金沢

発表前日に、全国の各単位会で税制改正意見書を担当している調査研究部のメンバーが集まり、相続税の課税方式と民法改正により新たに出てきた配偶者居住権等をテーマとした部会が実施され、参加してきました。
相続税の課税方式や配偶者居住権につきましては、公平性や評価についての議論になるかと思いきや、地域性が色濃く反映された意見を数多く聞くことが出来て、非常に有意義な討論会となりました。

公開研究討論会金沢
第45回日税連公開研究討論会・ホテル日航金沢にて
今回は近畿税理士会が「地方税の現状と展望」、北陸税理士会が「税による富の再分配機能を検証する」をテーマとして論文発表が行われました。北陸会につきましては、私が千葉県税理士会に広報掲載用原稿を書いた関係から少しコメントしますと、テーマ選定の理由として、まず「格差社会の問題」を取り上げておりました。この格差問題への対応は、主として富の再分配機能を有する社会保障による給付や税による徴収がありますが、近年この税による富の再分配機能が低下しているとの分析結果から、所得税・消費税・相続税のジニ係数等の統計データを活用して現状と問題点を確認し、格差是正の方策として提言がなされておりました。
テーマにもある富の再分配機能は、税の持つ役割であり根本部分であるとともに、多くの国民にかかわる題名に取り組み、その存在自体にメスを入れ分析検討したことは、大いに評価されるものと思われます。

金沢駅構内ゴーゴーカレー
ゴーゴーカレー
昨年、新潟で公開研究討論会が実施された際、新潟市はカレーが有名だということを聞き、バスセンターのカレーやイタリア軒のご当地カレーを食べてきました。そして今回の金沢ですが、こちらもカレーライスが有名とのことで、金沢駅へ到着してすぐ構内にあるゴーゴーカレーへ寄りました(後に東京や千葉にも店があることを知り、ショックを受ける)。
場所柄、観光客が多かったのですが、案外地元高校生たち(男女問わず)が普通に食べているのが印象的で、友達とくつろぎながら食べている姿は微笑ましく、地元に愛されているカレーなのだと実感しました。

金沢城
金沢城
討論会の翌日はいつも登山をするのですが、今年は忙しく調べる余裕がなかったため、定番コースの観光地を巡ってきました。たまにはお城や神社、お寺もいいものですね。ただ、革靴だと結構足にきてキツかったです。

兼六園、アカマツ
兼六園
一番目を引いたのが、このアカマツ。手向松または御花松と呼ぶそう。これほど放射状に伸びた躍動感ある枝ぶりのアカマツは見たことがないため、ついつい見とれてしまいました。
普段の仕事では直線しか視界に入って来ないので知らず知らずに疲れてしまいます。自然界は曲線のみで直線は存在しません。なるべく事務所にも癒される自然界の曲線を取り入れたいですね。

のどぐろラーメン
のどぐろラーメン・ABRI
昼はチャンピオンカレーを考えていたのですが、「のどぐろ煮干しラーメン」というインパクトあるのぼり旗が武家屋敷跡へ向かう途中にありました。通過しかけて、エッ何それ?と足を止める。ゲテモノ?好きの私としては、食べないわけにはいきません。頭の中もカレーからラーメンに映像が切り替わってしまったので、店に入ることに。
なぜか女性客が多く、ラーメンを作っているのも女性でした。写真の通りヘルシーな見た目。魚の臭みが鼻につきますが、本場の豚骨ラーメンに比べれば大したことはありません。つゆは程良い旨味と塩気があって疲れた体に染み渡る。全て飲み干してしまいました。面白いラーメン、ご馳走さまです。

長町武家屋敷跡
長町武家屋敷跡
武家屋敷は全国に色々ありますが、ここ金沢のものは茶色い土塀と石垣、石畳の道が特徴的ですね。
こちらには野村家を筆頭に高田家、足軽資料館、金沢市老舗記念館など見学箇所も多くありますが、一般の方が住んでいる家にも武家屋敷があるため区別が難しく、間違って入ってしまうのでご注意を。

主計町 かずえまち
主計町茶屋街
金沢の観光スポットとして有名なひがし茶屋街の近くにあります。グーグルのナビに小道があったため進んでみると、写真のように趣きある街並みが現れてきました。狭いエリアですが、ひがし茶屋のように混んでいないのでお勧めです。

コウタケ、ホウキタケ
近江町市場で買ったキノコ
左がコウタケ、右がウスムラサキホウキタケと言いますが、両方とも狙って採れるキノコではありません。左のコウタケはかなりレアなキノコで、名前の通りとてもいい香りがします。売っていることにビックリしました。コウタケはキノコご飯にしようと楽しみにしておりましたが、家で調理をしようとしたところ虫が凄くてほぼ食べる部位が無く断念。ウスムラサキホウキタケはキノコご飯を6合分作って職員に振る舞いましたが、皆んなチャレンジャーでちゃんと食べてくれました(笑)。一応、美味しかったので、また作ってくださいとは言われました。

会社の解散・清算

会社をたたむにあたっては、それぞれ個々の事情があるわけですが、社会保険の未加入会社が年金事務所からの督促でその負担額を知り、支払う事が出来ないため個人事業を検討するケースも多いです。
さて、その際に現在ある会社をどう整理すべきかという問題が生じてくるわけですが、皆、解散・清算をするかというと、実際には休業という形を取るケースがほとんどです。
会社の解散・清算は、各段階で法人税申告と登記が必要となり手続が複雑になる他費用もかかるのに対し、休業ではそれら手続や費用がかかりませんし、復活も可能です。
そのため税理士や司法書士のアドバイスとしては、一般的に休業を進めるのですが、それでも解散・清算をしたいと希望される方もいらっしゃいます。

解散・清算は不動産等の残余財産がある場合には、実行の難易度は高くなりますが、資産が現預金のみである場合は比較的スムーズに手続きは進められます。同族会社に特有の税務リスクとして挙げられるのは、社長借入の債務免除を実施するケース。青色の繰越欠損金を使ってもなお債務免除益が残っている場合で、これを消すためには期限切れ欠損金の損金算入制度を利用します。ただし、残余財産がないと見込まれることの証明を正確にやらなければ、多額の法人税が課税されるリスクがあるため細心の注意が必要です。

税理士会の研修会講師

JR成田駅前にある成田市文化芸術センターにあるスカイタウンホールにて、以前出版した本の資本取引に係る章の研修会講師をしてきました。

成田市文化芸術センター
新しくとても綺麗でした。私が税理士会成田支部の研修部長をしていた時代は公津の杜コミュニテイセンター内のMORIMORIホールにて研修会を実施しておりましたが、現在は支部に近いこともあり成田市文化芸術センターにて実施しているとのことです。

民法改正(配偶者居住権、遺産分割、遺言、遺留分)

平成30年7月6日に民法(相続法)等を改正する法律が成立致しました。
主な内容は以下の通りです。

1配偶者居住権の保護
(1)配偶者居住権の新設
配偶者の居住建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用を認める法定の権利を創設し、遺産分割等における選択肢の一つとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようにする。
(2)配偶者短期居住権の新設
配偶者が相続開始の時に遺産に属する建物に居住していた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用できるようにする。

2遺産分割
(1)配偶者保護のための方策
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産の遺贈又は贈与がされたときは、持戻しの免除の意思表示があっったものと推定し、被相続人の意思を尊重した遺産分割ができるようにする。
(2)仮払い制度等の創設
相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう、遺産分割前にも払戻しが受けられる制度の創設。
(3)相続開始後に共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合に、計算上生ずる不公平を是正する方策を設ける。

3遺言制度
(1)自筆証書遺言の方式緩和
自筆でない財産目録を添付して自筆証書遺言を作成できるようにする。
(2)遺言執行者の権限の明確化
(3)公的機関(法務局)における自筆証書遺言の保管制度の創設

4遺留分制度
遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行の規律を見直し、遺留分権の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずるものとしつつ、受遺者等の請求により、金銭債務の全部又は一部の支払いにつき裁判所が期限を許与することができるようにする。

5相続の効力等
相続させる旨の遺言等により承継された財産については、登記等の対抗要件なくして第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直し、法定相続分を超える権利の承継については、対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないようにする。

6相続人以外の者の貢献に係る方策
相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行なった場合には、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭請求をすることができる特別寄与の制度を創設。

※民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律の施行期日は,原則として,公布の日から1年以内に施行される(別途政令で指定します)こととされていますが,遺言書の方式緩和については,平成31年1月13日から施行され,また,配偶者の居住の権利については,公布の日から2年以内に施行される(別途政令で指定します)こととされています。

仮想通貨のハッキングに係る補償金の課税関係

いわゆるコインチェックのハッキングに係る補償金の取扱いが、昨日国税庁より公表されました。
補償金が課税か非課税かの点については、「仮想通貨を売却したことにより金銭を得たのと同一の結果となることから、本来所得となるべきもの又は得られたであろう利益を喪失した部分が含まれている」と考えられ、非課税の損害賠償金ではなく雑所得として課税されることとなりました(所法35、36)。
なお、損失の場合には、雑所得同士での内部通算が認められる旨の記載がありますが、損益通算が出来ないことは従来通りです。
今後、同様の事例が生じるかは不明ですが、仮想通貨取引は株式や先物取引の分離課税ではなく総合課税です。予想外の利益が出てしまった場合に、様々な節税対策を利用する上でも青色申告書を提出できる所得構成にしておいた方が何かと有利です。詳しく知りたい方は是非ご連絡下さい。お待ちしております。

参考)
国税庁 No.1525仮想通貨交換業者から仮想通貨に代えて金銭の補償を受けた場合

仮想通貨の税務上の取扱いー現状と課題ー 税務大学校研究部教育官 安河内 誠