
天板はケヤキ、脚はクロマツ、中下段の棚はスギ。初めてルーターを使用してホゾ穴をあけてはめ込み式にしてみました(天板と脚はステンのアングルとビスで固定)。
ケヤキは事務机と同じ群馬県産、クロマツは関与先の実家にあった梁を解体した際に頂きました。訪問する度に「いい梁ですね〜」と言い続けたのが良かったのかも?
厚さが100mm以上ある現状のままでは重すぎるため、50mm厚の二つに切りました。樹脂が非常に多く、ベルトサンダーの新品が写真の脚1本でダメになるほど油ギッシュ。太陽に透かすと木目に沿って樹脂がオレンジ色に浮かび、惚れ惚れするほどの美しさ。
大菩薩嶺にある丸川荘の小屋主が、マツを使った透かし彫りのトックリを作るにあたり、古民家の梁の廃材ぐらいしか良い材料が見つからないと嘆いていたことを思い出す。あの透かし彫り、買っておけば良かったかな。自分で作るしかないか。
このすばらしいクロマツを何とか有効利用出来ないものかと模索して数年。新事務所移転に伴い、裁断したりコピーをまとめたり小物をまとめる場所が必要だったため、このクロマツを利用したラックの製作に取りかかりました。ケヤキの天板と古民家で煙にいぶされたクロマツの脚を使っているため、裁断作業で揺れることもなければ歪みもせず、かなり頑丈な作りとなっております。
棚のスギ板は知り合いの製材所の方が、屋根下に使用する曲線を描いた化粧用のスギを選んでくれました。「最近はこういう化粧板を使う家がないんだよね〜」とのことで、使われないでずっと寝かされていたようです。品のあるきれいな木目で、棚板にするにはちょっと贅沢すぎるかも。
さて、このラックを制作して痛感したのが、ムク材にて直角・直線を作り維持することの難しさでしょうか。クロマツは製材後も落ち着いておりましたが、ケヤキとスギは1週間も経てば暴れだし、丸2日かけて直角・直線に仕上げた面は直ぐに歪んできます。直角・直線に費やしたあの2日は何だったのだろうか・・・。今後の課題です。